音楽制作や映像制作に関する情報提供ポータルサイト
学生向け夏休み企画レポート

学生向け夏休み企画レポート

楽譜作成ソフト「Sibelius」体験ワークショップ レポート

AT-Music合同会社が運営する【AT-Music.CLUB】では、2019年8月15日に学生向け夏休み企画としてコンピュータを用いた音楽制作の体験会『譜作成ソフト「Sibelius」ワークショップ』を開催致しました。
ここにその様子をレポート致します。

目的:楽譜作成ソフト「Sibelius」をとおしてコンピュータによる音楽制作を体験してみる

参加費用:無料

講師:辻 敦尊(つじあつたか)
主催:AT-Music合同会社(Sibelius販売代理店)
協力:株式会社 RygaSound(Sibelius日本総代理店)

 

今回は音楽制作ツールの一つである楽譜作成ソフト「Sibelius」を入り口として高校生の皆さんに音楽制作の楽しさとその具体的な操作方法について体験をしていただきました。

なお、ワークショップを始める前に楽譜作成ソフトについての認識などをヒアリングさせてもらったところ、楽譜作成ソフトというモノの存在は100%の人が知っていましたが、具体的にどんなソフトがあるのかは皆さんよく知らないようでした。そこで想像の範囲でメリット・デメリットについても事前にちょっと考えてもらうようにしてみました。するとメリットとしては「小節の間隔調整などがキレイに出来て、読みやすい譜面が書ける」という意見をもらい、デメリットとしては「バックアップなどちゃんとしておかないとトラブルなどでデータが無くなってしまう可能性がある」というとても冷静な意見を聞かせてもらえました。

それではワークショップの具体的内容についてもう少し詳しくレポートしていきたいと思います。

【コーナー1】まずは「見て・聴いて」体験

最初のコーナーでは「Sibelius」の画面や動きについて感じてもらいたかったので、Sibeliusに標準で付いてくるスコアサンプル(デモ曲)の中から【ピアノソロ曲】【オーケストラ編成の曲】【バンド編成でのジャズ曲】を「見て」そして「聴いて」もらいました。

そして譜面作成ソフトならではとも言える使い方なども4つほど紹介してみました。

・書かれている譜面は指定した音色で演奏させる事が出来るのでイメージが確認しやすい。
・演奏速度を上げたり、下げたり自由に調整出来る。
・細かい音符などは拡大表示させて見やすく出来る。
・特定のパートや場所だけを演奏させる事も可能な自由度を持っている。

  

【コーナー2】DTMの基本セットアップと楽譜入力の基本操作説明

次のコーナーでは楽譜作成ソフトに限らずコンピュータを中心に音楽制作する場合の基本セットアップ内容の説明から始めて、A/D・D/Aコンバータやレーテンシーなどについての説明を行いました。そして今回はパソコン上のキーボードとマウスを使って3小節ほどの譜面を参加者全員に入力体験してもらいました。

興味を持った若い人達だからか、驚くほど理解も早く全員難なく操作をこなしていた事に少し驚かされました。

続けて課題曲の一部(3~4小節)を入力して完成させる事にも挑戦してもらいましたが、ここでも皆さんスムーズに操作をこなして、目標としていた内容は全てクリア出来ていました!

【コーナー3】プロの制作現場での作業の流れを紹介

続けて紹介させてもらったのはプロの現場での制作作業の流れについてです。これは制作会社やクリエイターによってそれぞれで差があるものですので、今回は自社で実際に行われた作業の一例を紹介させてもらいました。実際に演奏家へ渡して使用された譜面の確認してもらう際は「Sibelius」の場合iPadアプリ「Scorch」を使用すると便利な使い方が出来る機能紹介なども交えて説明させてもらいました。更には実際の完成ミックスダウンデータ(ProToolsセッション)の中身紹介などまでしてみました。普段はバンド活動をされている皆さんなので大変興味を持ってもらえた事は主催者として嬉しい限りです。

【コーナー4】まとめ

ワークショップを終えてみて楽譜作成ソフトに持つイメージ(メリット・デメリット)について再度ヒアリングをさせてもらったところ下記のようなコメントをもらえました。

 

メリット:紙の譜面では難しいメール添付での受け渡しなどが可能になる。手で書くより早く書けて効率的。

デメリット:はじめに操作を覚えなければならない。最低限必要となる機材やソフトが必要。

 

その他、下記のようなコメントもいただきましたので合わせて紹介させて頂きます。

A.Mさん

Cubaseのスコア作成でパソコンで譜面を作ったことはありますが、やっぱり専用のソフトの方が使いやすいなと感じました。他にもオーディオインターフェイスなどの説明を聞けてよかったです。

手書きよりも便利だなと感じるところも多かったので、お金がたまったら買ってみてもいいなと思いました。貴重なお時間を使っておしえていただいてありがとうございました。

 

N.Hさん

プロの人達のやり方を知れておもしろかった。

自分の曲も楽譜におこしてみたいと思った。

今まで自分で楽譜を書く経験がなかったからすごく新鮮だった。

 

N.Sさん

パソコンを使って楽譜を作るということで、機械が苦手な私でも大丈夫かなと不安でしたが、思ったより操作が簡単で楽しくできました。

私は普段手書きで楽譜を書いていて、後から自分で見直したときや、人に見せるときに苦労するので、こういったアプリを使ってみたいなと思いました。

貴重な体験ができて良かったです。ありがとうございました。

 

以上のような内容で今回のワークショップを行ってみましたが、AT-Musicとしては若い意欲を持った人達に向けてコンピュータをツールとした音楽制作や映像制作、プログラミング技術など更に伝えていったり、具体的に実現させていくサポート活動に力を入れていきたいと考えています。今回の参加者+数名を最初のグループとしてAT-Music.CLUB【未成年の部(仮)】もスタートさせていく計画ですので、今後の展開にも興味を持っていただければと思います。

それではレポートはこんな辺で終わりにしたいと思います。

※ここに掲載している内容については参加者及び保護者の方々から承諾を得ております。無断で転載・転用する事は固くお断りしていますのでどうぞよろしくお願い致します。

AT-Music 代表 辻 敦尊